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Channel: 手相で見つける私の人生の歩き方|國本ヒロミ
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3.11の警察官たち 何が彼らをそうさせたか 

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こんにちは、國本弘美です。
 

『月刊致知 2014年1月号』致知出版社に掲載された


「何が彼らをそうさせたか 3.11の警察官たち」


が気になったので、ご紹介させてください。



東日本大震災から1か月ほど経ったとき

ある若いお母さんが二人の男の子を連れ、


石巻本署に来た話です。


ーーーーーー

「私、実は被災したお店から水や食料を勝手に持ち出したんです」


女性は声を上げて泣き出し、つられて二人の男の子も大声で泣きます。


すぐに本橋巡査は状況を察しました。


自身、救援物資が入ってくるまでは食べるものも飲むものもなく、


目がくらむような辛さを味わっていたからです。


女性は続けます。


「食料も水も足りるようになって、

悪いことをしたのにこのままではいけない、

と悩むようになりました。


子どもたちが正しく生きていくためにも責任を取らなければ、


と考えて警察にきたのです」


女性の正直さは本橋巡査の胸を打ちました。


同時に、困惑で体が固まってしまいました。


「場合が場合です。それは人として責められないでしょう」


その台詞が喉から半分出かかりました。


一市民として、そう言いたいのは山々です。


だがしかし、と押しとどめるものがありました。


警察官の制服を着ている自分が強く意識されたのです。


自分はなんのためにこの制服を着てここにいるのか。




本橋巡査はあえて強い口調で言いました。


「自ら出頭してきたことはいいことですが、

いかなる状況でも窃盗は犯罪です。


店舗が被災した上に商品まで盗まれた被災者のことを考えてみてください。


あなたのしたことが分かるはずです」


厳しく注意し、事件の詳細を聴取し、


以降の措置は被害者と連絡がついてからになると告げ、

親子を一旦帰しました。


署を出て行く親子の後ろ姿を見送ると、


自分は出頭してきた女性の勇気に応えたのだ、


真摯に警察官の務めを果たすことができたのだ、


という思いを噛みしめました。


と同時に、引き裂かれるような辛さも膨らんできました。

ーーーここまでーーーー

 

「自ら出頭してきたことはいいことですが、

いかなる状況でも窃盗は犯罪です。 


店舗が被災した上に商品まで盗まれた被災者のことを考えてみてください。


あなたのしたことが分かるはずです」



こんなにわかりきったセリフが 


お母さんの罪悪感を楽にしたのですね。


聞きたい言葉を聞けて、ホッとされたと思います。


一方で、子どもにとっては、


お母さんが目の前で

おまわりさんに怒られ、

もしかしたら、ただただショックだけかもしれません。


お母さんに盗ませた原因を作ったのは自分だと


責めてしまうかもしれません。


しかし


「正しく生きる」ことを、


親が口だけじゃなく、


態度で示したことを見せたのは、 


なにか、伝わるものがきっとあったと思います。


「正しさ」は、その時々の状況によって変わります。


緊急事態ならば


盗んででも子どもを飢えささないほうが、正しい。



だから「正しく」生きるというのは、


そのとき感じた「正しさ」に正直に生きることなんじゃないかな。



と、私は思いました。


ちなみに、店主さんは、被害届を出さなかったそうです。



 「正しさ」を「優しさ」で見れる大人がいることも、


子どもたちに伝わったらいいな。






 

お姫さま診断鑑定♥どこがプチやねん!?プチ手相鑑定書

 


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